2026年1月2日・3日、第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の号砲が鳴り響きます。
今シーズンの大学駅伝界は、まさに「戦国時代」の再来です。
10月の出雲駅伝では早稲田大学が久々の戴冠を果たし、11月の全日本大学駅伝では中央大学が圧倒的なスピードで優勝。
そして、昨年の箱根王者である青山学院大学も、11月のMARCH対抗戦で驚異的なタイムを連発し、王座防衛に向けて牙を研いでいます。
「出雲・全日本・箱根、すべて違う大学が勝つかもしれない」
そんな予感が漂う中、読売新聞等の報道により、今大会も「函嶺洞門バイパスコース」の使用継続が確定しました。
つまり、コース変更による波乱はなく、純粋な「走力」と「戦略」が勝敗を分ける高速レースになるということです。
本記事では、YouTubeでの詳細な戦力分析や直近のレース結果(世田谷ハーフ、MARCH対抗戦など)を基に、第102回大会の展望を徹底予測します。
1. 箱根駅伝2026優勝予想!

箱根駅伝2026ズバリ順位予想!
まずは結論から。直近の11月レース結果、各大学の区間エントリー戦略、そして過去10年の優勝データに基づいた、当ブログ独自の総合順位予想を発表します。
【箱根駅伝2026 総合順位予想】
優勝:青山学院大学
(理由:1万m27分台5名のスピードは歴代最強。復路の選手層も厚く、総合力で頭一つ抜けている)
2位:駒澤大学
(理由:爆発力より安定感。復路6区からの追い上げと、ミスをしない駅伝で2位を死守)
3位:早稲田大学
(理由:5区・工藤慎作の激走で「往路優勝」の可能性大。総合でも表彰台へ)
4位:中央大学
(理由:1区・2区のスピードはNo.1。往路を制圧する勢いがあるが、復路の競り合いで僅かに後退か)
5位:國學院大學
(理由:主力の卒業を全員駅伝でカバー。粘り強い走りで上位に食らいつく)
優勝のカギは「往路優勝」にあり!青学の必勝データ
なぜ青山学院大学を優勝予想としたのか。
そこには明確なデータが存在します。
YouTubeの分析によると、過去10年間で青山学院大学が総合優勝を果たした7回のうち、実に6回が「往路優勝からそのまま独走」というパターンです。(唯一の例外は、6区小野田選手・7区林選手らが爆走して東洋大を逆転した2018年のみ)。
つまり、青学の必勝パターンは「スピードのある往路メンバーで先手を取り、復路の厚い選手層で逃げ切る」こと。逆に言えば、他大学が勝つための条件は、「往路で青学の前に出ること」
に尽きます。
ストップ・ザ・青学の包囲網
今季の青学は、11月のMARCH対抗戦で「27分台が5名、28分台が16名」という、他校が戦慄するほどのスピード強化に成功しました。
しかし、死角がないわけではありません。過去、青学が優勝を逃した年(2019年東海大優勝、2021年駒澤大優勝など)は、共通して「5区(山登り)で区間2桁順位、または区間9位以下」と苦戦しています。
中央・早稲田の戦略: 往路(特に1区〜5区)で青学より先行し、プレッシャーをかける。
駒澤の戦略: 往路を耐え、得意の6区山下りから逆襲する。
2026年大会は、圧倒的なスピードを持つ青学に対し、他校が**「山(5区)」**という最大の不確定要素を使ってどう挑むか、という構図になります。
2026年大会の優勝争いを占う上で、最大のカギとなるのは「往路優勝の行方」と、それに直結する「5区・山登りの攻略」です。
青山学院大学の「優勝の方程式」
YouTubeの分析データによると、過去10年間の青山学院大学の優勝には明確な法則が存在します。
青学は過去10年で7回の総合優勝を果たしていますが、そのうち6回は「往路優勝」からそのまま逃げ切るというパターンです。
(唯一の例外は2018年、東洋大に往路を譲ったものの6区小野田選手・7区林選手らの爆走で逆転したケースのみ)。
逆に言えば、「往路で負けた年の青学は、総合優勝を逃す確率が高い」というデータがあります。
特に、往路優勝後に逆転を許してしまった2019年(東海大優勝)や2021年(駒澤大優勝)のケースでは、復路の重要区間でライバル校に区間新記録級の走りを許しています。
5強エース配置

各大学の命運を握るエース区間、2区(23.1km)。
今大会は外国人留学生にも引けを取らない、強力な日本人エースたちが集結しています。各校の戦略と配置予想を詳細に見ていきましょう。
青山学院大学:黒田 朝日(3年)
~異次元の安定感を持つ大エース~
青学の2区予想は、昨年の区間賞ランナーである黒田朝日選手で揺るぎません。
彼は11月のMARCH対抗戦で27分37秒62という大会新・青学新記録をマーク。
チームメイトとの競り合いを制してトップに立つ勝負強さは健在です。
前回の箱根では1時間05分44秒でしたが、今回は気象条件さえ良ければ「1時間05分前半」あるいは留学生をも凌駕するタイムでの走りが期待されています。
原監督の作戦としても、1区で多少の出遅れがあったとしても「黒田ですべて帳消しにしてトップに立つ」というのが基本戦略になるでしょう。
中央大学:溜池 一太(4年)
~吉井と共に往路制圧を狙うスピードスター」~
全日本大学駅伝を制した中央大学。その原動力の一つが溜池選手です。
彼もまたMARCH対抗戦で自己ベストを更新しており、レース後には「箱根の2区で区間新を狙う」といった趣旨の強気な発言も飛び出しています。
中央大の戦略としては、1区に配置が予想される吉井俊助選手(あるいは岡田選手)でロケットスタートを切り、2区の溜池選手でさらにリードを広げる「先行逃げ切り型」が濃厚。
黒田選手とのマッチアップは今大会最大の見どころです。
駒澤大学:山川 航(4年)
~「男だろ!」の系譜を継ぐ強さの象徴~
「復路の駒澤」と言われますが、往路を耐えるための最重要ピースが山川選手です。
彼は平坦コースに滅法強く、単独走でもペースを乱さない精神的なタフさを持っています。
スピード勝負では青学・中央に分があるかもしれませんが、アップダウンの激しい戸塚の壁も力強く駆け上がるスタミナは随一。
彼がトップと秒差でタスキをつなげば、駒澤の十八番である復路逆転劇が現実味を帯びてきます。
早稲田大学:山口 智規(4年)
~名門復活を背負う大黒柱 ~
出雲駅伝優勝の立役者。
彼が2区でしっかりと試合を作ることで、後述する5区の「切り札」が活きてきます。
留学生ランナーと並走してもリズムを崩さず、冷静に順位を上げることができる選手です。
國學院大學:野中 恒亨 選手
卒業生の影響で戦力ダウンが懸念された國學院ですが、野中選手や上原選手といった実力者が成長しています。
絶対的なエースというよりは「全員駅伝」で粘り、上位に食らいつく走りが期待されます。
山登り(5区)徹底予測

2026年大会、最もタイム差がつき、順位が激しく入れ替わると予想されるのが「山上り(5区)」です。ここには、今大会の主役となり得る選手と、最大の懸念事項が同居しています。
【早稲田の最強カード】工藤 慎作(3年)
~令和の「山の名探偵」~
早稲田大学が往路優勝、あわよくば総合優勝を狙える最大の根拠が、この工藤選手の存在です。
彼は全日本大学駅伝の長距離区間で日本人トップクラスの走りを見せるなど、平地の走力も大幅に向上していますが、真骨頂はやはり「登り」です。
前回の箱根でも好走しましたが、今季の充実ぶりは凄まじく、ネット上の予想では「区間新記録の最有力候補」「今の工藤には誰も勝てない」とまで評されています。
もし彼が5区で爆発すれば、2分程度の差なら一気にひっくり返し、早稲田が往路の覇者となる可能性は極めて高いでしょう。
【青学の最大の挑戦】鳥井 健太(3年)
~王者のアキレス腱を埋める新星~
青山学院にとって、長年5区を支えた若林宏樹選手の卒業は大きな痛手です。
「誰が山を登るのか?」 この問いに対し、有力候補として挙がっているのが3年生の鳥井健太選手です。
YouTubeのレポートによると、夏合宿で行われた「坂タイムトライアル」において、なんとエース黒田選手に次ぐチーム2位でゴールしたという情報があります。
さらに11月のMARCH対抗戦でも28分10秒という好タイムをマークしており、走力は十分です。
しかし、箱根の5区は「魔物が棲む」と言われる特殊区間。
初挑戦の選手がプレッシャーの中で実力を発揮できるか。ここが青学の総合優勝を左右する最大の分岐点になります。
【他校の山対策】
中央大学: 柴田選手らが候補。全日本での好走実績などから、登り適性を見込まれての起用が予想されます。
大崩れせず「耐える」走りが求められます。駒澤大学: 村上選手や坂口選手。駒澤は伝統的に山対策を入念に行うチームです。
派手さはなくとも、確実にシード圏内、優勝圏内を踏みとどまる走りをするでしょう。
区間ごとの予想
最後に、直近のハーフマラソン(世田谷、宮古サーモンなど)やトラック記録会のデータを加味した、全10区間の詳細シミュレーションを行います。
【往路】
まずは、往路から見ていきます。
【1区(21.3km):けん制なしのハイペース展開】
- 予想: 中央大・吉井俊助(または岡田) vs 青学大・浦川 vs 早稲田・増田
- 解説: 中央大が主導権を握るために序盤から仕掛ける可能性大。前回区間賞の篠原選手(駒澤・卒業)のような圧倒的な飛び出しがない分、集団のペースが上がり下がりする難しい展開に対し、青学の浦川選手(27分台)が冷静に対応できるかが鍵です。
【2区(23.1km):エース激突】
予想: 青学・黒田、中央・溜池、駒澤・山川、早稲田・山口
解説: 前述の通り、1時間05分台のハイレベルな争い。ここでトップに立ったチームが往路優勝への主導権を握ります。
【3区(21.4km):湘南の風を切れ】
- 予想: 青学・織田 vs 中央・本馬
- 解説: 青学の織田選手は宮古サーモンハーフ(平坦・下り基調)に出場しており、3区への適性が高いと見られます。
ここで青学が抜け出すか、中央が食らいつくか。

【4区(20.9km):準エース区間の攻防】
予想: 青学・飯田 vs 中央・岡田(1年)
解説: 近年、重要度が増している4区。中央はスーパールーキー岡田選手をここに投入し、5区の山登り前に少しでも貯金を作りたい構えです。青学はスピードと登りに強い飯田選手で応戦します。
【5区(20.8km):天下の険】
予想: 早稲田・工藤 vs 青学・鳥井
解説: 早稲田・工藤選手の独壇場となるか。青学・鳥井選手が区間5位以内で粘れば青学の総合優勝が濃厚に、もし区間10位以下に沈めば、大波乱の幕開けとなります。
【復路】
復路の予想は以下の通りです。
【6区(20.8km):山下り】
- 予想: 駒澤・伊藤 vs 青学・佐藤優一
- 解説: ここは駒澤大学の最大の反撃ポイント。
全日本MVPの伊藤選手が57分台の爆走を見せれば、往路のビハインドを一気に解消できます。
青学の佐藤選手も57分台を出せるポテンシャルがあり、朝一番の高速バトルに注目です。
【7区(21.3km)& 8区(21.4km):青学の選手層が火を吹く】
予想: 青学・小川原 & 塩出
解説: 復路の中間区間は、選手層の厚い青山学院が圧倒的に有利です。特に8区の塩出選手は2年連続区間賞の実績があり、「遊行寺の坂」も知り尽くしています。接戦であっても、この2区間で青学がリードを広げる展開が濃厚です。
【9区(23.1km):復路のエース区間】
- 予想: 青学・佐藤愛斗 vs 國學院・高山
- 解説: 青学の佐藤愛斗選手は世田谷ハーフ(アップダウンあり)で好走しており、9区のコース形状にフィットします。
國學院も「復路の切り札」をここに投入し、意地を見せるでしょう。
【10区(23.0km):大手町のゴールへ】
予想: 青学・荒巻 vs 創価・帝京のアンカー
解説: 優勝争いは青学・荒巻選手が安定した走りで締める予想。一方で、シード権争い(10位以内)やトップ3争いでは、終盤に強い帝京大や創価大のアンカーが猛烈な追い上げを見せ、ゴール直前まで順位が入れ替わるドラマが待っているかもしれません。
箱根駅伝2026優勝予想まとめ
以上の分析から導き出される2026年箱根駅伝の結末予想は以下の通りです。
本命:青山学院大学
往路で早稲田・中央に先行されたとしても、復路の選手層(特に7区・8区)で逆転可能。ただし、5区での大ブレーキがないことが絶対条件。
対抗:早稲田大学・中央大学
往路優勝の可能性は青学と同等以上。復路でどこまで粘れるかが鍵。
注目:駒澤大学
ミスが少なく、復路6区からの追い上げが不気味。
「27分台軍団」の青学がスピードで圧倒するか、早稲田・工藤選手が山で奇跡を起こすか、それとも中央・駒澤が総合力で上回るか。
第102回の箱根路は、1秒たりとも目が離せない「史上最もハイレベルな戦い」になることは間違いありません。
決戦は2026年1月2日、朝8時。大手町から始まるドラマを目撃しましょう!

